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基本観測点でのタワー観測

5つの基本観測点は表1のように代表的な各地表面上に 設置された。


表 1: HEIFE 基本観測点 (光田1996[3] より)。Huayin 観測点の位置が不明だが、 黒河の南側の道路沿いの観測点であり、Huayin の街より少し離れたゴビにあったと 思う。 (著者註)
地点名(英文) (和文) 東経 北緯 標高 地表状態
Zhang Ye 張掖 100度26分 38度56分 1482.7 耕地(麦)
Linze 臨沢 100度10分 39度09分 1453.7 耕地(とうもろこし)
Ping Chuan 平川 100度06分 39度20分 1382 オアシス
Huayin ゴビ ? ? ? ゴビ(岩石砂漠)
Desert Station 砂漠 100度10分 39度23分 1391.0 砂砂漠


この内、日本側担当の Desert Station(図1) と ZhangYe (図2) では、 Vaisala 社製の気象観測装置が20mのタワーに取り付けられ、 他に EKO 社製の放射観測装置が設置され、数高度での風向風速、気温、 湿度、上下方向の可視光のフラックス、上下方向の赤外線のフラックス、 降雨量、地中温度などが30分間隔で記録され続けた。

図 1: 砂漠観測点の様子と現場の小屋(別に事務所も一工程に借りていた)
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図 2: 張掖観測点のタワーの様子と観測事務所として借りていた 九公里にある事務所
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太陽電池で稼働するタワーや放射計などの装置による通年観測で、 大気-陸面間での放射によるエネルギー輸送や降水量を観測し、 さらに、タワーで 気温、湿度、風速などの気象要素を 複数の高度で観測して鉛直方向の変化をとらえることにより、 地表面からの顕熱 (熱)、潜熱(水蒸気) の鉛直輸送量の 算出の為の基礎データを得た。 これと、IOP 期間中に発電機を動かして行う乱流輸送量の 直接観測(図3)を比較し、関連付けることによって 年間の熱の交換量と水蒸気の交換量を得ようという計画であった。

図 3: 砂漠観測点の乱流輸送観測装置(センサーと本体)。本体は小屋の中にあった。
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Ichiro Tamagawa 平成14年1月29日