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問題3

問題3   図のように、両端が大気圧に開放となっているU字管を 角速度 $\omega $ で回転させた。U字管の横に延びた部分の長さを $\ell$、 液体の密度を $\rho$ とする時、両側の水位差はどのように表されるか。
\resizebox {0.8\textwidth}{!}{\includegraphics{fig3.eps}}


-- 解答例 --
下図のように、回転軸に沿って上向きに z軸、U字管の底部外向きにx 軸を取り、 U字管とともに回転する座標系で力の釣合を考える。 x, z 方向それぞれの力の釣合は、重力加速度を $g$、圧力を $p$ として


\begin{displaymath}\left\{
\begin{array}{@{\,}ccc@{\,}}
0 = -\frac{1}{\rho}\fr...
...\rho}\frac{\partial p}{\partial z} - g\\
\end{array} \right. \end{displaymath}

となる。上式は簡単に積分できて

\begin{displaymath}p = \rho \frac{\omega^2 x^2}{2} - \rho g z + \mbox{constant} \end{displaymath}

となる。 中心側の液面を $z = z_1$ とすると、そこでは $p=0$$x=0$ であるから、 $ \mbox{constant} = \rho g z_1 $ となる。 外側の液面の高さを $z = z_1 + \Delta$ と置くと、 そこで $p=0$$x=\ell$ より、

\begin{displaymath}0 = \rho \frac{\omega^2 \ell^2}{2} - \rho g (z_1 + \Delta) + \mbox{constant} \end{displaymath}

であるので、

\begin{displaymath}\Delta = \frac{\omega^2 \ell^2}{2 g} \end{displaymath}

となり、内外の水位差は、外側の方が $\frac{\omega^2 \ell^2}{2 g}$ 高いことが分かる。

\resizebox {0.5\textwidth}{!}{\includegraphics{fig3a.eps}}



Ichiro Tamagawa 平成14年1月30日