玉川研究室で、CReSS を使うには。5-4
実際に計算を行ってみる。(続き)

この前のページ では、 CReSS の設定ファイルの途中 &outfomat の節まで記述した。 ここでは、その続きを設定する。( readme.user.conf や、マニュアルを並読して ください)

次は、&project_grd 、これは、客観解析データの処理の時に gridata で使用される。
気象庁データ篇 で書いたように、 図法は、円錐投影のランベルト図法、北半球で、基準は30°N、 60°N、140°Eなので

 &project_grd
  mpopt_grd = 2
  nspol_grd = 1
  tlat1_grd = 30.e0
  tlat2_grd = 60.e0
  tlon_grd  = 140.e0
 /
となると思う。また、メソ解析値は、10km 間隔で、 西から 245番、北から205番目の格子が、
(140°E, 30°N )で あるので、289-205+1 = 84+1 を使って、以下のようになる。
 &gridset_grd
  xdim_grd =  361
  ydim_grd =  289
  zdim_grd =  21
  dx_grd   =  10.0e3
  dy_grd   =  10.0e3
  ulat_grd =  30.0e0
  ulon_grd =  140.e0
  riu_grd  =   245.e0
  rju_grd  =   85.e0
 /
また、データは気温、相対湿度。水平方向の補間は線形で行い、地表データがあるので 外挿しない。
 &datconf_grd
  datype_grd = 'tr'
  intopt_grd = 1
  refsfc_grd = 1
  extvar_grd = 'xxxxxxx'
 /

その次の、 &project_rad &gridset_rad &datconf_rad は、レーダデータの同化を
しないので、そのままの設定で放置する。

その次は、地形データ関係の設定。 地形データ篇 で 作った
Takayama21.ter を使う事にすると、以下のような設定になる (と思う) 。
左下の格子の中央が、( 135.997451 , 35.253403 ) 、data number 4200 x 4200、dx 0.000625 dy 0.000417 deg. なので、

 &project_trn
  mpopt_trn = 0
  nspol_trn = 1
  tlat1_trn = 0.e0
  tlat2_trn = 0.e0
  tlon_trn  = 0.e0
 /

 &gridset_trn
  xdim_trn = 4200
  ydim_trn = 4200
  dx_trn   =    0.000625
  dy_trn   =    0.000417
  ulat_trn =   35.253403e0
  ulon_trn =  135.997451e0 
  riu_trn  =    1.e0
  rju_trn  =    1.e0
 /

 &datconf_trn
  intopt_trn = 1
 /

その次は、土地利用関係。
土地利用データ篇 で作った Land-130-30-145-45-C を使うことにすると、
このデータは、1802x1802 で、左下の緯度経度が (29.995832, 129.995834) になっていて、
30秒間隔なので、多分、こんな感じ


 &project_lnd
  mpopt_lnd = 0
  nspol_lnd = 1
  tlat1_lnd = 0.e0
  tlat2_lnd = 0.e0
  tlon_lnd  = 0.e0
 /

 &gridset_lnd
  xdim_lnd = 1802
  ydim_lnd = 1802
  dx_lnd   = 0.008333333
  dy_lnd   = 0.008333333
  ulat_lnd = 29.995832
  ulon_lnd = 129.995834
  riu_lnd  = 1.e0
  rju_lnd  = 1.e0
 /


この次は、土地利用と実際に与えるパラメタのリストを書く。 ここの部分の話は、長くなるので、先に以下の2段落分を書いてから説明する。

その次の海表面温度SSTと海氷データICEは、使わないのでそのまま
(&project_sst &gridset_sst &project_ice &gridset_ice )

その次は、並列実行してできた計算結果や土地利用をまとめるための
unite の設定だが、バイト数など、実際に solver を実行してから結果を見て
設定する方が楽なので、後回しにする。

土地利用に応じたパラメタの設定は、地表面付近を詳しく見ようという
当研究室の目的から考えると大変重要な項目で、値をどう設定するかということ自体が
大事なテーマである。それを最初の説明に書いても見づらいものになると思うので
(本当は、まだちゃんと考えていないだけ)
とりあえず、安直に、2003年の奥山の卒業論文にある値を 利用する
そこには、

       蒸発散係数       アルベド    粗度
水面    1.02            0.06        0.00033
雪面    1.05            0.8         0.00014
都市    0.047           0.125       0.61
水田    0.347           0.156       0.325
耕作地  0.272           0.145       0.405
森林   0.1(冬)0.26(夏)  0.09        0.65
という値が書かれている。確か、文献を探して更に名古屋周辺での水田や耕作地に
都市が侵入していることなどを考慮して値を決めてあったと思うが、今見ると
水面で蒸発散係数が1を越えているなど、説明に苦慮しそうな値もある。
とりあえず、これを蒸発散係数≦1にして使用してみる。
分類は、 土地利用データ篇 のままだとし、熱粗度は
運動量に対する粗度と同じとすると以下のような設定になる。
-1 Water        水面        1               0.06        0.00033        
5 Herbaceous    雪面?       1.05            0.8         0.00014         
6 Wooded        森林?       0.26            0.09        0.65            
7 Mixed	        森林?       0.26            0.09        0.65            
8 Bare	        こんなもん  0               0.3         0.002         
9 Snow	        雪面        1.05            0.8         0.00014        
11 Urban        都市        0.047           0.125       0.61           
12 Dryland      耕作地      0.272           0.145       0.405            
13 Irrigated    耕作地      0.272           0.145       0.405            
14 Mixed        耕作地      0.272           0.145       0.405            
15 Cropland/Grassland   耕作地        0.272           0.145       0.405          
16 Cropland/Woodland    森林にしておくか?    0.26            0.09        0.65               
17 Grassland    草原は、耕作地と一緒にしておくか  0.272           0.145       0.405                
18 Shrubland    森林にしておくか?     0.26            0.09        0.65              
19 Mixed        森林        0.26            0.09        0.65           
20 Savanna      耕作地と一緒でいいかな?      0.272           0.145       0.405            
21 Deciduous    森林        0.26            0.09        0.65           
22 Deciduous    森林        0.26            0.09        0.65           
23 Evergreen    森林        0.26            0.09        0.65           
24 Evergreen    森林        0.26            0.09        0.65           
25 Mixed        森林        0.26            0.09        0.65           
27 Herbaceous   水田??    0.347           0.156       0.325              
28 Wooded       森林        0.26            0.09        0.65           
29 Barren       耕作地と一緒にしておくか?   0.272           0.145       0.405               
我ながらかなり適当である。実際自分で計算する時には、ちゃんと考えた方が良い!!!
これを、user.conf に書くと、
 &datconf_lnd
  intopt_lnd =  0
  numctg_lnd = 24
  lnduse_lnd = -1,       5,    6,    7,    8,    9,    11,   12,   13, 14, 15, 16, 17, 18,  19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 27, 28, 29
  albe_lnd   = 0.060, 0.800, 0.090, 0.090, 0.300, 0.800, 0.125, 0.145, 0.145, 0.145, 0.145, 0.090, 0.145, 0.090, 0.090, 0.145, 0.090, 0.090, 0.090, 0.090, 0.090, 0.156, 0.090, 0.145
  beta_lnd   =  01.00, 1.05, 0.26, 0.26, 0.00, 1.05, 0.047, 0.272, 0.272, 0.272, 0.272, 0.26, 0.272, 0.26, 0.26, 0.272, 0.26, 0.26, 0.26, 0.26, 0.26, 0.347, 0.26, 0.272
  z0m_lnd    =  0.000330, 0.000140, 0.650, 0.650, 0.002, 0.000140, 0.610, 0.405, 0.405, 0.405, 0.405, 0.650, 0.405, 0.650, 0.650, 0.405, 0.650, 0.650, 0.650, 0.650, 0.650, 0.325, 0.650, 0.405
  z0h_lnd    =  0.000330, 0.000140, 0.650, 0.650, 0.002, 0.000140, 0.610, 0.405, 0.405, 0.405, 0.405, 0.650, 0.405, 0.650, 0.650, 0.405, 0.650, 0.650, 0.650, 0.650, 0.650, 0.325, 0.650, 0.405
 /
こんな風になる。
ちょっとまてよ、132文字/行を越えている。 大丈夫かどうか調べなければ。。。。。多分入力データで、Fortran の文ではないからいいはず
さていよいよ計算の実行である。(次へ)
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