航空機観測

1997年6月24日から7月3日まで、和歌山県の勝浦にある国民休暇村に ドロップゾンデの受信に行っていました。 その時行われた航空機観測では、はじめて IHAS (大気水圏研) の ガストプローブ (圧力式風速計) と IMS (慣性計測装置) が搭載されました。
航空機観測で風を計るには、航空機の姿勢を精度良く検出する事が 必要です。使用した航空機は、中日本航空の B-200 King Air なんで すが、それに通常搭載されている FDS と呼ばれる装置の出力は、 残念ながら、乱流を含めた風速の測定に使用できる程、高レスポンス 高精度ではありません。そこで、我々は IMS を搭載し比較しました。 IMS は、多摩川精機製のものですが、残念ながらこちらには、 データを見る限り、若干のドリフトがあります。しかし、高周波の ところまで、ノイズではないデータが入っているようです。

ロール方向の角速度のパワースペクトル。 横軸は、1/時間。

両者のパワーが良く一致するところは、波数数10 (1/h) のところで 周期でいうと 1〜3分くらいです。 ここで両者のデータを結合してやる事により、 きっと良好な角速度のデータが得られ、それを積分して 正しい航空機の姿勢が得られ、その姿勢を使って、計測された 3軸の加速度を XYZ に直し、それと GPS で得られた位置を考慮して、 航空機の移動速度をだして、姿勢と角速度とともにそれを使って風速を求める予定です。 (まだまだ、ステップは多い...)

ついでに、ガストプローブのデータから、対機風速、Attack Angle を 気圧と一緒に書いてみました

1997 Nov. 10 玉川