研究のキーワード: 陸面とそれに接する大気、気象学、水文学
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(4年生向けの研究室紹介より)
研究概要
風が吹くのも雨が降るのも元はと言えば、海面や陸面から
熱や水蒸気が大気に供給されるからである。
このような意味で重要な地球表面の特に陸面と
そこに接している下層の大気(境界層)を中心に研究する。
陸面では、太陽や上空から入ってきた放射エネルギーが、
水分の蒸発や大気の加熱、陸面の加熱、赤外線の放射
に使われている。また蒸発にはエネルギーだけでなく、
そこにある水の量と在り方が重要である。
これらのバランスの状態が、そこの自然環境そのものである
と言っても過言ではない。
ということで、その陸の表面でどのようにどれくらい熱や水蒸気が
出ていくか、またそれらを運んでいる大気中の乱流自身の性質は
どうなっているのかというような研究を中心に行う。
もうちょっと具体的に
卒論のテーマについては、当人の能力や嗜好を考慮して
相談して決めたいが、現在、手元には、
- 中国のゴビ砂漠の端っこで行われた 黒河流域における地空相互作用に関する日中
共同研究 (1989--1991) のほぼすべての特別観測のデータ
- 現在行われている アジアモンスーン観測計画(チベット高原)
の境界層観測データ
- その他、少々
の観測データがある。これらをもとに
- 領域内での水・熱に関する各種気象要素の分布の解析
- 乱流輸送の特性解析(特に、水蒸気の輸送について)
についてのデータ解析を中心とした研究や、
- 砂層内での土壌塩分と水分・水蒸気の移動の数値計算的解析
- 小領域内を対象にした数値モデルによる複雑地形上での熱・水蒸気の輸送の研究
- 森林キャノピーモデルの作成
などの数値計算的研究をやっていきたいと思う。
教官自身はいままで観測を中心として仕事をしてきたが、
当面データ解析や数値計算が主な作業となるので計算機を利用した仕事が
大半である。計算機環境は、FreeBSD C LaTeX を考えている
(単に教官の趣味である)。
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チベット高原の観測地(安多) | 砂漠で動いていた乱流観測装置 |
written in Apr. 1999