%  実験３ の分
% 担当，玉川さん

\ehchapter{等流・不等流の水面形}

\ehsection{実験の概要}
開水路の定常流の最も簡単な場合である等流，つまりどこでも水深が等しい(=
流速も同じ)である流れ，は，水に働く重力の流れ方向成分と潤辺に働く摩擦抵抗力が
釣合っておこる．
また，そうでない定常流の場合，流れ方向に水深が変化する不等流になる．
この場合，いわゆる「不等流の水面形の式」すなわち，水深方向に積分した
「摩擦による損失を考慮したベルヌーイの法則」で水深の変化が記述できる．
そして，この場合，摩擦力を決定する摩擦係数を与える必要がある．

本実験では，
\begin{itemize}
\item 等流状態をつくり出し，その際の流量，流速，潤辺長，水路床の勾配，
	などから(Manningの)摩擦係数を求め，
\item 次に，下流端で堰の高さを上げて，不等流状態をつくり出して，
	その水面形を，上で求めた摩擦係数を使って計算で得られる水面形と比較する．
\end{itemize}
ことを行い，開水路の流れに対して理解を深めることを目的とする．

\ehsection{実験器具}
ポイントゲージ，定規，堰，パテ

\ehsection{実験要領}
\begin{enumerate}
\item 水路床勾配と水路幅の測定
\begin{enumerate}
	\item 水路を堰止めて静水を張り，
	水路に下流端を原点として上流に向けて座標系を設定し，水路の幅と
	水深を求める．(水面が水平だから，水深は水路床を示すことになる．)
	ポイントゲージの先を壊さない用に注意．
\end{enumerate}
\item 摩擦係数を求める為の等流状態での測定
\begin{enumerate}
\item 通水し，堰の高さを調節して，等流状態にする．
	通水時のポンプの起動および流量の増加はゆっくりおこなわないと
	水路全体に渡っての水位の振動現象がおきることがあるので注意．
	水路の中央部分を使い，その両端で水深の差がない (〜小さい) ようにする．
\item その時の流量と水深を計測する．
\item その部分での平均勾配から，Manning の式を用いて，摩擦係数を決定する．
\end{enumerate}
\item 不等流の水面形の測定
\begin{enumerate}
\item 下流端を堰上げして，不等流状態を作る．
\item 水面の形状と流量を測定する．
\end{enumerate}
\end{enumerate}

\ehsection{アドバイス}
流量測定は，水路に付いた流量計で行う．

求めるものは，Manning の摩擦係数と，不等流の水面形であるので，
それに必要なものを全部測定するように充分注意する．

\ehsection{レポート}

実験結果を整理し，表と図にまとめる．
摩擦係数の出し方と結果を述べる．
フルード数を求め，流れが常流であるか射流であるかを考え，
測定部分の下流端あるいは上流端から水面形の計算を行う．

水面形の計算は，微分方程式を，小さな区間に分けて，近似的に行えば良い．
数値計算が得意な人はコンピュータで差分計算しても良い．

\ehsection{おまけ}
\subsubsection*{Manning式}
乱流状態の完全粗面の場合，平均流速 $v$ は，以下の式で表される
\[ v =  \frac{1}{n} R^{2/3} I ^{1/2} \]
ここで，$n$: Manning の粗度係数，$R$: 潤辺長，$I$: エネルギー勾配
$ = i_0 - \frac{d}{dx}\left( h + \frac{v^2}{2g} \right) $，$i_0$: 水路勾配．
%乱流状態の流れの場合，流量から得られる平均流速を $v$ として用いても
%大きな誤差にはならない．


不等流の水面形を計算する場合，上の Manning 式を整理して，
水深変化 $\frac{dh}{dx} $ に関する式を作り，解けば良い．
一階の微分方程式になるので，一つ境界条件が必要であるが，
流れが常流の場合は，下流端の条件で水位が決まるので，
計算する部分の下流端の水位を与える (射流だった場合は逆)．

解析的に解けない式の場合は，例えば，適当に細かく区間を区切って
\[ \frac{dh}{dx} = f(x, h, ...) \]
の右辺の $h$ などを一定と考えて，少し $x$ が変化したところの
$h$ を $\frac{dh}{dx}$ を使って求めれば良い．

自分の使える計算手段に応じて，適当な計算の簡略化を行い計算せよ．


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